通貨切り下げ競争か 2010 6 5
金融危機後、私が感じていることは、
先進国は、通貨切り下げ競争をやっているのではないかということです。
そんな状況で、日本は、傍観していた結果、
主要通貨に対して大幅な円高になってしまいました。
このような大幅な円高の結果、
デフレが進み、雇用情勢は悪化し、
外国からは、「日本は『失われた10年』どころか、
『失われた20年』である」と言われるようになりました。
輸出連関乗数 2010 4 18
書名 「10年不況」脱却のシナリオ
著者 斎藤 精一郎 集英社新書
日本の輸出の対GDP比は、16%ほど(2008年)であるから、
日本は、輸出依存型経済ではないという見方があります。
しかし、現実問題として、過度の円高や輸出の減少は、
日本企業にとって、大きなダメージとなります。
そして、結果的に、日本経済にも大きな影響があります。
なぜか。
この本では、この問題について、こう書いてあります。
(以下、引用)
日本には、構造的な根深い問題が、その数字の裏に潜んでいる。
構造的な問題を考えるときに役立つのが、「輸出連関乗数」である。
(中略)
「輸出連関乗数」とは、
一単位の輸出の増減がGDPをどのくらい増減させるかの波及度を表す係数のことである。
日本とドイツでは、この「輸出連関乗数」あるいは総輸出波及乗数が異なるのだ。
(中略)
日本はドイツに対して二倍強も乗数(純輸出ベース)が大きいのが普通だ。
となると、輸出が落ち込んだ場合、日本の落ち込みはドイツに比べて
二倍以上もGDPを下落させるということだ。
(以上、引用)
数十年前まで1ドル360円だった為替レートが、
今や1ドル92円となっています(2010年4月18日当時)。
それでも、十分な利益を確保してきた日本企業は立派と言えるでしょう。
しかし、中小企業は、大きなダメージを受けたと思います。